散歩を楽しむ すこやか《院長の独り言》
散歩を楽しむ
イギリス人には散歩の達人が多いそうです。犬を連れて散歩は定番、季節によって咲く花のポイントを知りコースを変える、野鳥を観察する、など目的を探して楽しみます。中にはハシゴを抱えて小鳥の巣を見て回る人もいるとか。自然を堪能できれば一番ですが、住宅街でも散歩はできます。他人の家や玄関の造り、庭木など住む人の人柄が想像できて面白い。あちこちの飼い犬の様子を観察するのも楽しみですが、怪しい人と勘違いされない程度にしましょう。 散歩には精神的にも肉体的にも多くの利点があります。運動という観点からは、世間ばなしでもしながら少し息はあがるけど休まずに続けられる「速歩」、一回30分以上(または15分2回)、週に3回以上というのが理想です。しかし長続きしなければ意味がありません。天気のよい日に無理せずテレテレしたり急いだり、とにかく楽しむ事、走るのは禁物です。散歩中には自然と無口になることがあり、「Comfortable silent (心地よい静けさ)」と言われています。人間の脳と体は微妙なバランスを持っており、いろいろな刺激を受け、散歩中にすばらしいアイデアを思いつくのはよくある話です。 なぜイギリス人には散歩の達人が多いのでしょうか。18世紀後半に起こった産業革命は、低賃金で過酷な労働を強いられる多くの労働者も生み出しました。彼らには何の娯楽も無く、心と体を病む人が多かったそうです。そんな彼らが見つけたのが、「戸外を楽しく歩くこと」でした。お金のかからない娯楽として知恵をしぼり、受け継がれたのです。でも日本の道路に安全地帯はありません。散歩中はくれぐれも車と自転車に気をつけてくださいね。 おおはらクリニック 大原 元太 |
