ようそろ すこやか《院長の独り言》
ようそろ
(1)病気は悪いことですか 船が針路を定め、「船の進行はこれで良し」と船長が判断したとき、皆に聞こえるように、「ようそろ」と声をかけます。 「ようそろ」とは、よろしくそうろう、です。 とりあえず危険は無い、と皆が安心します。船の状態が完全でなくとも、無事に目的地に到着できれば「ようそろ」です。 危険な悪天候でも、近くの港に避難できれば、ひとまず「ようそろ」なのです。 人間はたいてい一つや二つ健康上の問題を抱えています。完全に健康な人はほとんどいません。そのときの体調によって病気と健康の境目を行ったり来たりしています。 病気で問題なのは、日常生活に支障が出ることです。 治る病気も治らない病気もあります。完治しなくても、悲観することはありません。 日常生活が出来れば、とりあえず「ようそろ」です。そのときの「ようそろ」を積み重ねてゆきましょう。行く先の障害がわかれば、回り道すれば良いのです。 無病息災は理想です。病気で失うものもあります。でも病気をすることで、「ようそろ」を確認できるかもしれません。行く先の障害に気がつくかもしれません。 もっと「大切なこと」に気がつくかもしれません。 病気は悪いことでしょうか。一病息災、二病息災で、人間の幸せはつまるところ、よく食べ、よく眠ること、ではないでしょうか。 おおはらクリニック 大原 元太 |
